2018年3月ワールドカップ(W杯)ロシア大会のグループリーグ第3戦
決勝トーナメント進出をかけた戦い。
他試合の結果次第では渇望する、決勝トーナメント出場が出来ない可能性もある。
客席からの大ブーイングを受けながらピッチに立つ日本代表は
終了の笛を待つための「パス回し」をワールドカップの大舞台で始めた。
目次
グループリーグ第3戦は対ポーランド
相手国のポーランドはFIFAランキング8位の強豪国。(日本は61位)
(ポーランドにとっては1次リーグ敗退がすでに決まった消化試合)
今大会までの日本の試合成績は1勝1分け。
勝ち点4のセネガルと並び首位。
コロンビア先制!日本がフェアプレーポイントで2位浮上…H組途中経過 https://t.co/xK72cdnyVR pic.twitter.com/i5v5Hql9Bc
— スポーツ報知・サッカー取材班 (@hochi_football) 2018年6月28日
この試合を勝つか引き分ければ2010年南アフリカ大会以来2大会ぶりの決勝トーナメント進出が確定。
負けても日本と同じグループH 【セネガル-コロンビア戦】(同時刻開催) の結果次第では勝ち上がる可能性もある。
【日本-ポーランド】 の試合結果だけでなく
トーナメント進出を考えると
白熱する【日本-ポーランド】始まる
GK川島がビッグプレーで日本ゴール守る!
【記事→】https://t.co/0Vzqyk5N3H
#川島さん #worldcup #daihyo #SAMURAIBLUE #ポーランド #JPNPOL pic.twitter.com/SZ3Efb2GwI— 読売新聞YOL (@Yomiuri_Online) 2018年6月28日
前半32分、ポーランドのヘディングシュートを川島が止めた場面では、海外メディアには「今大会で最も素晴らしいディフェンスの一つだ」と報じ「数センチの差で日本を救った」とツイートされた。
両試合とも得失点なし(0-0)で前半を終えた
後半14分に試合は動いた。日本がポーランドに先制を許す(0-1)
一層緊張が高まる戦いとなる。
そして、後半28分すぎに試合がまた動いた。
【セネガル―コロンビア】戦にてコロンビアがゴールで先制。(0-1)
すなわち、決勝トーナメント進出が見えた。残り時間は約17分。
【日本-ポーランド(0-1)】 としてはこのままでは敗退。
この戦いで勝利を得るために必要なのは、当たり前だが「得点」。
しかしもしこのままの状態で試合終了を迎えても
【セネガル―コロンビア】戦の結果次第で、決勝トーナメント進出が出来る可能性がある。
メッセージとなる選手交代
0―1の後半37分選手交代。武藤 嘉紀から MF長谷部 誠へ
日本はこのままいけばフェアプレーポイントの差で決勝トーナメント進出が決まる。
「日本はそのまま試合を終わらせる」という西野監督のメッセージをピッチの選手たちに伝えることになった。
長谷部選手からの指令は
「イエローカードを貰わない」
「失点しない」
後半約10分、攻めずにパスを回して時間を稼ぐプレーにブーイングが沸くスタジアム
試合途中だが会場を後にするファンも。
コロンビアが1-0で勝つという想定のもと、無理な攻撃をせずに守りに徹した日本。
試合終了を告げるホイッスルが
コロンビア対セネガルはコロンビアが1-0で勝利。
W杯ポーランド戦後の監督、選手の発言
西野朗監督
「納得いかない。不本意な選択」
非常に厳しい選択でした。万が一ということは、自分たちのピッチでも他会場(コロンビア対セネガル)でもあり得た。不本意な選択。他力に頼っているのも良くないこと。観客からのブーイングを浴びながら選手にプレーさせたことも、自分の信条ではない。自分のスタイルは攻撃的というか強気というか……。
また 一夜明けた29日には練習前に選手、スタッフが集まるミーティングにて
こういう場所(決勝トーナメント)に来たにもかかわらず、素直に喜べない状況をつくってしまったのは申し訳なかった と謝罪を述べた。
長谷部 誠
「自分たちが勝ち取った結果として受け止めたい」
まずゲームプランとして、自分たちは引き分けや負けを想定していたわけではなく勝ちにいくということはハッキリしていました。ゲームが進んでいって、先制点を取られて、もちろん自分たちが行かなくてはいけなくなって、他会場の結果でコロンビアが先制したという情報も入ってきていた。そこで自分が(後半37分に)投入される意味というのは理解しなければいけなかったし、それも1つ、中でプレーしていた選手たちへのメッセージになったと思います。
こういう状況なら監督が決断しなければいけないし、このままでいく、そしてイエローカードを受けないということだったので、それを選手たちに伝えた。この世界は結局、結果なので、もちろんさまざまな議論はあると思いますけれど、これはしっかりと自分たちが勝ち取った結果として受け止めたいと思います。
僕にとっても初めてのケースだったし本当に誰かが試合の中で決断しないといけない。それが監督でそれをしただけだったと思います。もちろん僕が出ていた時に、セネガルがもし追いついたら言ってくれとは伝えてあったので、そうしたらもちろん(点を取りに)いくのもハッキリしていました。
長友 佑都
「リカバリーしていい状態で次の試合に」
結果的に、メンバーを代えたことで休めた選手もいますし、決勝トーナメントに行くということを前提で、ここを乗り越えたらもっと一致団結するだろうということで、西野さんもメンバーを信じて代えたと思います。結果的に、僕らの夢がつながっているし今日休めた選手もいる。出た選手は整えて、リカバリーしていい状態で次の試合に(いきたい)。僕らは失うものがないので、全てをぶつけたい気持ちですね。
這いつくばってでも上に行きたかった。 惨敗したブラジルW杯から4年間、ロシアW杯で借りを返すためにやってきたプロセスに後悔はない。 日本史上初のベスト8へ。 チームのために自分の全てを捧げる。【twitter】
吉田 麻也
「もどかしさはもちろんありますけれど、しょうがないかなと(笑)」
世間が期待するといつも悪い結果になるので、もっともっとバッシングしてくれればいいと思います(笑)。(ブーイングは?)まあ、聞こえましたよ。もどかしさはもちろんありますけれど、しょうがないかなと(笑)。僕だけ急に攻めてもおかしくなるし。
宇佐美 貴史
「23人全員で次の試合に向けて戦って行くスタンスは変わらない。」
前半を0−0で終えられて、後半勝負となった時にセットプレーから失点してしまったのはすごく痛かったです。その後は他会場の結果もあったし、無理するところではないという判断のもとでのプレーになったと思います。
相手もこっちも3戦目で、暑さもあって疲弊している中だった。相手はこのままでも勝てるし、僕らもこのままいったら決勝トーナメントに進出できる。無理をするのかしないのかという難しさはすごくありましたね。ただ、長谷部さんを入れた中で選手も共通理解があって、このままゲームを締めようという選択に至ったと思います。
もちろんベンチでは、セネガルが1点取ったらどうするのかという話もあって、「いかなあかんやろ」っていう話もありました。それを一瞬で、あのスタジアムの空気の中、全員に共通理解を持たせるのは難しいことですし、そんな中で長谷部さんが入って、ああいうサッカーになったのは監督の判断ですから。このまま終わってくれという祈るような気持ちでした。
次につながったことが全てだと思いますし、勝負の世界で決勝トーナメント進出を決めることができたのは、本当に僕らの実力だと思います。次はどうやるのか分からないですけれど23人全員で次の試合に向けて戦って行くスタンスは変わらない。チーム全員が同じ絵を描いて、共通理解を持ちながら、全力でぶつかっていくだけなのかなと。
本田 圭祐
「西野さんの素晴らしい采配だった」
出ている選手はね、たぶんちょっとストレスが溜まった内容、結果だったと思います。けれど、結果が大事で、僕らにとっては予選通過が目的だったので。出た選手には少し酷な部分はあるけれど、僕は想定内でしたし、非常にポジティブ……ポジティブな結果だったと思います。試合だけではなくて、この予選を通じて。そう思っています。
(自分が出ない中、このままW杯が終わってしまう可能性もあったが)可能性はありましたね。だからホッとしましたよ。西野さんがすごくリスクを取りにいって、個人的には結果的に素晴らしい采配だったと思っています。僕が監督でもこの采配はできなかったというふうに客観的に見ていた自分もいたので。本当に結果が出た、結果が全てだと思いますし、それは本当にすごいなと。
あそこでマコ(長谷部)が入って、監督からなにかしらかのメッセージを受けてマコがボールを持った時点からだいたいもう西野さんのメッセージは読めましたよね。だからこそ3枚目(の交代)であのカードだったと思うし。もちろん、リスクはありましたよ。セネガルが(コロンビア相手に)決めていたらダメだったわけです。あそこでベンチ側からとにかく攻めろ攻めろって叫んでもおかしな話なので。あそこはあれが全てのメッセージ、たぶん出ていた選手がマコのプレーを見て、感じたと思います。
面白いサッカーを見たかったファンには申しわけなかったと思う。でも次に進まないと、次にいいサッカーをしてファンを喜ばせることもできないという意味では、理解してほしいと思います。
川島 永嗣
「最後は自分だと思う」
GKというのは、ミスと常に向かい合わせですし、そのミスを恐れていれば、やっぱりいいプレーはできない。その狭間で、常に葛藤がある中でプレーしないといけない部分があります。常に最高のパフォーマンスが求められますし、そういう意味でピッチに立つ以上、自分が周りを納得させるようなプレーをしなければ、その場所にもいられないと思う。とにかく自分としては、それを証明するしかないと思いました。今までも長く代表でやらせてもらっていて、いろいろな場面がありました。もちろん批判されている時期もありましたがそこでちゃんと自分が周りを納得させられるかどうか最後は自分だと思うので。そういう意味では、今日はそういう部分を証明したいと思っていました。
この戦いで選び優先したもの
サッカー元日本代表からの意見
武田 修宏
「日本サッカーの成長」
自身が1993年に経験し批判の対象となった「ドーハの悲劇」を振り返り「日本は成長したと思う」と日本代表のパス回しを、武田は支持。セネガルが同点に追いつけば、日本の敗退が決まるリスクについては「そうなれば批判を浴びることも西野監督は覚悟し、コロンビアの試合運びのうまさも考慮したと思う」と指摘。「あの時もし、こういった戦術、文化があれば、あそこでW杯に出て日本のサッカーの歴史も変わっていたと思う」と語り「当時はそんな戦術はなかった。それが文化になってきたので、そういう意味では成長したと思います」と述べた。
カズ(三浦 知良)
「大きな日本の財産となる経験」
「3試合の結果が、決勝トーナメント進出の大きな目標を達成につながったと思う。ベスト16を突破することがもっと大事。これでまた、さらに引き締めていい準備して挑んでくれると思います」と期待。パス回しについては「ドーハとは状況が違う」とした上で、こう持論を述べた。「サッカーは5秒、10秒あれば1点入りますからね。セネガルが点を取った瞬間、日本は点を取らないといけない状況になる。その中で、(ポーランドが)来なければ回すという勝負にかけた。コロンビア戦もそうでしたけど、2-1になって自分たちが余裕を持ってボールを回すサッカーができた。その積み重ねで、ああいう時間の過ごし方ができたのでは。なかなかできる経験ではない。監督、スタッフ、スタンドの観客、テレビで見ていた人もみんなそういう経験をした。大きな日本の財産になるんじゃないですかね。勝ちに本当にこだわったやり方。いろんな選択があるなかで、あそこまでの選択があの瞬間できたなと。すごいと思いますね。」
西野朗監督の勝負師としての姿に「苦しいけど楽しいと思いますよ。あれがしびれるんでしょうね。西野さんがずっとやってきた経験があるんでしょうね」と敬意を表した。
「ドーハの悲劇」??
1994年ワールドカップの出場をかけた試合が、カタールの首都・ドーハのアルアリ・スタジアムで行われた、日本対イラク戦。ロスタイムのイラク代表の同点ゴールにより、予選敗退となる。ドーハの悲劇 – Wikipedia
この時は有利な条件で日本は最終戦に臨んでいた。
ワールドカップの本大会への初出場をかけた戦い。
引き分けてもほか試合の結果次第では勝ち上がる可能性も。
前半開始5分に日本が早々と先制。その後イラクが同点を狙い、カウンターを仕掛ける展開となるがそのまま前半終了(1-0)
後半はイラクの攻撃が活発になり55分に(1-1)同点に追いつく。しかし日本も69分にラモス瑠偉のスルーパスを中山が受けゴール。(2-1)の勝ち越しに成功。日本の勝利の時が近づく。
そしてロスタイムに突入。この時誰もが、ワールドカップの本大会への 初出場 をほぼ確信した。
「悲劇」とはここからである。
イラクが、カウンターからCKを取る。ロスタイムにも関わらずショートコーナーに出る。
意表を突かれた日本。
センタリングをあげられてからの、同点ゴールが決まる。(2-2)まさに戦意喪失のピッチに倒れこむ選手達。
賛否両論|批判の声も…
BBCが日本の消極性をデータで証明…ポーランド戦のプレーに世界中から批判
日本がポーランド戦終盤で時間稼ぎに終始したことに対し、ポーランドのサッカー界からは試合後に批判が相次いだ。
戦略的選択
賛否両論あっていいとおもうはち。
『勝っても負けても、全力で最後まで戦う事が試合である。』
『全力で戦い散るならば、それも本望である。』そんな考えもあっていいと思う。
しかし、西野監督がこの決断をした瞬間、批判は想定内だと僕は思うはち。
「ズルい」と批判を受ける覚悟
「セネガルが点を取った瞬間プランはほぼ崩れる」危険性。
「今まで勝つ為の練習を続けてきた選手」を説得する覚悟。
ある種「惨めなプレー」と捉えられてもおかしくない戦術をワールドカップの舞台で1人の指示で11人にさせる事。
全てを腹にくくった「ボール回し」の支持
僕は サムライブルー に恥じない、覚悟ある決断。だと思うはち!
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